黒字経営を続けるための会計的視点 ~利益を出し続ける会社の共通点とは?~

更新日:2025年4月14日 / 木村

こんにちは。星田会計事務所の木村です。
「なんとか毎年黒字にはなっているけれど、正直ぎりぎり…」
「売上はあるのに、なぜか手元にお金が残らない…」
こういったご相談を受けることがよくあります。

今回は、黒字経営を“継続”するために知っておきたい「会計的視点」についてお伝えします。


1. 会計は「結果」ではなく「経営のナビゲーション」

会計=過去の数字の記録、と考えがちですが、それだけではありません。
会計データを「未来の経営判断」に活かしてこそ、本来の価値があります。

黒字経営をしている会社は、月次の試算表や資金繰り表をもとに、
「今どこに向かっているか」「現時点で何に注意すべきか」を常に確認しています。

月次決算を習慣化すると、問題点に早く気づき、軌道修正がしやすくなります。


2. 「利益」と「お金の残り」は違う

黒字なのにお金が足りない…という声の原因の多くは、
「利益」と「キャッシュフロー(お金の流れ)」の違いを理解していないことにあります。

たとえば、売上はあっても回収が遅れれば、資金繰りは苦しくなります。
また、設備投資や借入金返済などは利益に反映されませんが、現金は確実に減ります。

利益とキャッシュの両方を管理する視点が、安定経営には不可欠です。


3. 利益を出しやすい「構造」をつくる(+人件費の視点)

黒字を継続している企業には、いくつかの共通点があります。

  • 固定費(家賃・人件費など)をなるべく抑えている

  • 利益率の高い商品・サービスに力を入れている

  • 無駄な在庫を持たない、回転率の高いビジネスモデルを採用している

ここで特に注意したいのが「人件費」の扱いです。
現在、多くの企業が人手不足に悩まされており、採用や人材の確保は経営課題のひとつです。そのため、人件費は単に“削るべきコスト”ではなく、将来の成長に向けた投資と捉える視点も必要です。

たとえば、

  • 生産性の高い人材にはしっかり報いる

  • 業務効率化によって残業や無駄な人件費を減らす

  • 社員の定着率を高めることで、採用コストを抑える

といったバランスのとれた人件費管理が、長期的な黒字経営の基盤となります。


4. 税金対策も「未来への投資」に

「節税しすぎて資金繰りが苦しくなった」なんて本末転倒なケースもあります。
大切なのは、単なる税金逃れではなく、「キャッシュを残しながら健全に利益を出す」こと。

税理士や会計事務所と連携して、
・必要な投資
・適切な経費計上
・資金調達のタイミング
をバランスよく判断することが、強い会社づくりにつながります。


5. 経営者こそ「数字に強くなる」

会計や税務は専門家に任せるとしても、経営者自身が数字に関心を持つことは不可欠です。
少なくとも、次の3つの数字は毎月確認するようにしましょう。

  • 月次の売上と粗利益

  • 経常利益(本業でどれだけ儲かっているか)

  • 銀行残高と資金繰りの見通し

数字を「経営の言葉」として使えるようになると、判断の質が格段に上がります。


まとめ:数字に強い経営が会社を強くする

黒字経営を「一度達成する」ことよりも、「続ける」ことの方が難しい時代です。
だからこそ、会計を経営の道具として活かし、数字に基づいた判断を重ねていくことが大切です。

「うちの経営、これでいいのかな?」と感じたら、どうぞ星田会計事務所までご相談ください。
一緒に、持続可能な黒字経営を目指していきましょう!