社会保険料滞納処分の実態について

更新日:2023年9月27日 / 木村

木村です。

日本年金機構のサイトに

「日本年金機構の令和4年度の取組状況について」

記事がありました。

 

差押実施事業所数

令和4年9月末 6,944

令和3年度  6,781

令和2年度  3,357

令和元年度 33,142

 

主な内容は

  1. ゼロゼロ融資の返済と同時に中小企業の倒産が増加しており、社会保険料の滞納がさらに問題となっています。
  2. 滞納処分に関するデータによれば、令和元年度には通常時の約3万事業所が滞納処分を受けましたが、令和2年4月以降はコロナ感染の影響で滞納処分が一時停止されました。しかし、令和3年4月には滞納額が1,000万円以上の事業所に対して処分が再開され、令和4年2月以降には全ての滞納事業所に対する差押しが再開されました。令和4年9月末には6,944件の差押事業所があり、前年1年間の件数を超えています。
  3. 令和4年3月末までに「納付猶予特例」の期間満了の事業所数は81,016件であり、分割納付を受けた事業所は55,849件あります。しかし、未納の社会保険料の分割金額と毎月の社会保険料の合計を納付するには、売上向上やコスト削減などでキャッシュフローを改善する必要があります。
  4. 差押の対象は基本的に事業所所有の財産ですが、社会保険料の分割納付を申請する際に個人保証と同等の意味を持つ「納付の誓約書」にサインさせられることがあります。したがって、社会保険料の滞納が事業所の倒産・破産に繋がる場合でも、個人財産が差し押さえられる可能性があるため、慎重に対処する必要があります。
  5. 社保倒産は私的整理のガイドラインの範囲外にあるため、救済策が限られており、これが課題とされています。

社会保険料の滞納に関して、中小企業経営者や従業員は支払いに注意を払い、適切な対策を考える必要があります。

参考サイト

日本年金機構の令和4年度の取組状況について