来年度に計画されている介護職員の確保のための取組み

更新日:2019年10月18日 / お知らせ・ご案内

木村です。

介護における人手不足が続く中、さまざまな政府の施策が実施されています。

今年度は、処遇改善のための介護報酬改定が10月に施行された他、キャリアアップのための研修支援、学生や元気高齢者に対する理解促進、留学生の支援等が実施されました。

来年度はどのような取組みが計画されているのか、厚生労働省が提出した令和2年度の概算要求から、その方向性を知ることができます。10月3日開催の「介護人材確保地域戦略会議」における厚生労働省から説明の説明によると、現在検討されている主要項目は次の通りです。

【介護分野への元気高齢者等参入セミナー事業】
介護分野における人材のすそ野を広げるべく、元気な高齢者の活躍を促進する取組です。既に元気高齢者をターゲットに研修等が実施されていますが、これを更に深め、介護分野への関心を持ってもらうためのセミナーや、入門的な研修等への受講を誘導し、介護助手として介護施設にマッチングするまでを想定しています。

【介護職員に対する悩み相談窓口設置事業】
都道府県に、介護職員が職場の悩み事が相談できる窓口を設置し、介護職員の離職を防止する取組です。心理カウンセラーや経験年数の長い介護福祉士を専門の相談員として配置し、来所や電話だけでなく、メールやSNS、施設への出張相談等、幅広い方法で相談を受け付ける計画です。

【若手介護職員交流推進事業】
調査により、介護関係職種の離職の6割超が、勤続3年未満の職員であること、小規模の事業所ほど離職者の勤続年数が短いことが分かっています。そこで、入職時や3年目の節目のタイミングで、他の施設の同じ立場の若手介護職員と交流できるネットワークを構築し、介護職の魅力等を再確認していただく取組が検討されています。

【介護食チームケア実践力向上推進事業】
昨今の介護ニーズは、看取りや認知症対応等、多様化・複雑化しています。多様な人材の参入の促進、外部コンサルタントの活用、リーダー職の育成等を推進することで、介護職員の不安を払拭し、定着を促進するとともに、利用者の自立支援や満足度の向上を目指す取組です。

【「介護のしごと魅力発信等事業」の拡充】
現在、若年層、子育てを終えた層、アクティブシニアに対し、介護の仕事の魅力発信が実施されています。来年度はこのターゲットを拡大し、小中高生等の10代、大学・専門学校生等の20代前半、退職前や退職まもない時期のアクティブシニア層への訴求を目指します。

【福祉人材センターのマッチング機能強化】
この取組みも既に実施されており、都道府県福祉人材センターによる職業紹介や就職説明会等のマッチング事業が行われていますが、令和2年度は新たにブロック研修を開催することで、マッチング機能強化を図ります。

ここでは新規の取組としての主要項目をご紹介しましたが、前述の「介護人材確保地域戦略会議」では、実際に行われている取組についての成果事例等も報告されています。詳しくは、以下のサイトをご確認ください。

厚生労働省「第7回介護人材確保地域戦略会議を開催しました