更新日:2013年12月28日 / 税務・会計情報
平成26年4月の診療報酬改定に向けて、厚生労働省諮問機関である中医協(中央社会保険医療協議会)や社会保障審議会で、議論が重ねられています。
団塊の世代が75歳以上の、いわゆる後期高齢者となる2025年に向けて、診療報酬改定を含む、医療機能の大きな変革が始まっています。
大きな論点としては、
1.患者の状態に合った適切な医療が提供できるように、医療機関の機能分化・強化と連携
2.各病床の役割の明確化と、各機能に応じた医療の充実
3.急性期を脱した患者の受け皿となる病床、かかりつけ医機能、在宅医療機能等の充実
などがあげられます。
また、平成26年度の改正は、同時に引き上げられる消費税への対応も注目の一つです。
下記で、これまでに中医協等で審議されている内容を確認してみます。
(1)消費税引き上げへの対応
消費税引き上げへの対応については、中医協の分科会の1つ「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で検討されており、9月時点で下記のように中間整理がなされています。
① 本体報酬
・ 診療所は初再診料、有床診療所入院基本料に上乗せ
・ 病院は診療所と同額を初再診料に上乗せし、余った財源を入院基本料に上乗せ
・ 個別項目への上乗せも組み合わせる
・ 改定財源の配分は、医科・歯科・調剤ごとの医療費シェアと、医科・歯科・調剤ごとの
経費総額のうち消費税が係る経費の割合等で、財源の按分を決める
② 薬価
・ 現在の消費税抜きの市場実勢価格×108%で対応
(2)外来医療
① 初再診料
平成22年の改定で病院、診療所の再診料が69点に統一されたことや、初再診料が各々の経営に及ぼす影響、診療所における設備投資状況が提示され、改めて診療所機能を評価するためにも、再診料の引き上げが必要であるかどうか議論されています。
② 主治医機能
診療所や中小病院の主治医機能を持った医師が、複数の慢性疾患をもった患者に、継続的・全人的な医療を行うことが重要であるとして、過去にあった後期高齢者診療料のような年齢による区分ではなく、高血圧症、糖尿病、脂 質異常症、認知症などの患者に対し、①服薬管理、②健康管理、③介護保険制度の理解と連携、④在宅医療の提供と24時間対応を行う医師の診療に対する、主治医機能を評価する点数が新設される可能性があります。
外来医療については、主治医機能を評価する点と、再診料の引き上げがポイントになりそうです。