人時生産性を知る。

更新日:2017年8月31日 / 木村

木村です。

お久しぶりです?

さてさて

 

来年の新卒内定率が現時点で88%と公表されました。しかし大手でも、小売・外食等の業種は採用面接を継続しています。
これが、中小企業となると、新卒採用に関しては悲惨とも言える状況です。アルバイト、パートも最低賃金を遥かに上回る条件を出しても、一定の業種では人手が集まらないのが現状で、人手不足が本当に深刻化しています。

政府では、「働き方改革」と称して、会社に、残業規制等の労働時間の削減や有給休暇完全消化などをするよう努力していますが
働いて給料を稼ぎたい社員にとっては、迷惑な話かも。
「給与」を増やしたい社員と、会社で、行き違いが起きています。ほとんどの社員は「働く時間・残業が減る→給与も減る」と考えがてしまいます。
また、最近は、夜間や休日に診療している歯医者さんは、週休3日にして、週40時間の労働時間にしているところもでてきています。

先日、トヨタで採用した方法が、「固定残業制」。残業時間に関係なく毎月45時間分の残業代(約17万円)を支給する新制度で、実際の残業が45時間を超えれば残業代を追加支給する仕組み。
一定額以上の残業代を保証しながら社員に効率の良い働き方を促し、生産性を高める狙いがあると思います。
しかし、トヨタだからできることで、これまでの給与体系からこの方法を行うには、多くの中小企業では困難かもしれません。

そこで、古くから経営改善の指標として使われてきた中の「人時生産性」が、最近再び脚光を集めてきています。
人時生産性は、企業の粗利益(限界利益)を総労働時間で割った式で計算されます。

社員一人が稼ぎ出した1時間当たりの粗利益のことで、人時生産性が5,000円で月間労働時間が200時間、間接人員も含めた社員数が10人とすると、この会社の月間粗利額は5,000円×200時間×10人=1,000万円と計算されます。中小企業の人時生産性のボリュームゾーンは5,000円前後で、3,000円程度だと賃上げなど到底できないレベルになると言われています。
大企業でも商社などは人時生産性が2~3万円になるところもあります。

この指標の改善が、まず、最初に手を付けるべきところ。急務となる。

改善をするには、ビジネスモデル別、商品別、店舗別の単位等で人時生産性を計算し、人時生産性の低いところは、見直しや撤退
など検討することが必要となります。

自社の労働時間を見直したい、人手不足、採算がとれているかわからないなど
ありましたら、ぜひ、ご検討ください。